資格・実用 / 第1巻

日商簿記3級 合格本

取引がわかる。数字が、つながる。

借方・貸方の理由から、決算・精算表・財務諸表まで。例題33題、勘定科目67項目、解説付きの60分オリジナル模試で合格へ。2027年度改定ガイド付き。

横書きの本文で理由をつかみ、仕訳と計算を例題で確かめる。図表は拡大して読めます。

全28章・勘定科目67項目・用語36項目
学習ロードマップ・図表・出典付き / 登録なしで読めます。
対象:2027年3月31日までの試験。2027年度改定は別章で案内。

装画・図解は学習用のオリジナル

日商簿記3級 合格本

2026年度版 / がっけんぽスタディ

一つの取引から、二つの決算書へ
  1. 取引何が増えて、何が減ったか

    証ひょうで事実を確かめる

  2. 仕訳・転記五要素と借方・貸方

    仕訳帳から総勘定元帳へ

  3. 決算整理当期と翌期を分ける

    期末残高と当期の損益へ

  4. 財務諸表B/S と P/L

    財産・義務と、一期間の成績

学習の順序を単純化した図です。実際の帳簿の種類や処理は、問題の条件に従います。

五要素は、二つの決算書でつながる
  1. 資産会社が持つ財産や権利

    現金・預金・売掛金・商品・備品

  2. 負債と純資産支払う義務と、残る持分

    買掛金・借入金 / 資本金・利益剰余金

  3. 収益利益を増やす原因

    売上・受取利息・受取手数料

  4. 費用利益を減らす原因

    仕入・給料・家賃・減価償却費

資産=負債+純資産。利益=収益−費用。入金がすべて収益、出金がすべて費用という意味ではありません。

五要素の増減と記入する側
要素増加減少代表例
資産借方(左)貸方(右)現金・売掛金・備品
負債貸方(右)借方(左)買掛金・借入金
純資産貸方(右)借方(左)資本金・繰越利益剰余金
収益貸方(右)借方(左)売上・受取利息
費用借方(左)貸方(右)仕入・給料・支払家賃
出資と借入れは、どちらも売上ではない

株式会社を設立し、株主から600,000円を普通預金へ受け入れた。続いて銀行から200,000円を借り、普通預金に入金された。

設立時

借方金額(円)貸方金額(円)
普通預金600,000資本金600,000

借入時

借方金額(円)貸方金額(円)
普通預金200,000借入金200,000
  1. 預金800,000円=負債200,000円+純資産600,000円。
  2. この二つの取引だけでは売上も利益も発生していない。
現金で備品を買ったら

業務用の備品36,000円を購入し、現金で支払った。消費税は考慮しない。

備品の購入

借方金額(円)貸方金額(円)
備品36,000現金36,000
  1. 備品は資産の増加なので借方。現金は資産の減少なので貸方。
  2. 36,000円=36,000円。買った日には全額を備品費という費用にしない。
残高を集める小さな例(単位:円)
勘定科目借方合計貸方合計残高
現金50,00020,000借方30,000
備品20,0000借方20,000
資本金040,000貸方40,000
売上010,000貸方10,000
貸借の合計70,00070,000借方50,000=貸方50,000
仕入れと返品を、元の科目で戻す

商品66,000円を掛けで仕入れた。後日、品違いの6,000円分を返品し、掛け代金から差し引いた。

仕入時

借方金額(円)貸方金額(円)
仕入66,000買掛金66,000

返品時

借方金額(円)貸方金額(円)
買掛金6,000仕入6,000
  1. 残る仕入高は60,000円、買掛金も60,000円。
  2. 返品は費用の仕入と負債の買掛金を減らす。
売上と、当社負担の送料

商品84,000円を掛けで販売した。同時に、当社負担の配送費1,600円を現金で支払った。

売上

借方金額(円)貸方金額(円)
売掛金84,000売上84,000

配送費

借方金額(円)貸方金額(円)
発送費1,600現金1,600
  1. 売掛金は商品代金を受け取る権利。当社負担の発送費は別の費用。
  2. 相手負担を立て替えた条件とは区別する。
小切手は、誰が振り出した?

2026年度

2026年度の例。A:売掛金24,000円を他社振出し小切手で回収。B:買掛金18,000円を当社振出し小切手で支払う。C:売掛金9,000円の回収で、以前当社が振り出した小切手を受け取る。

A 他社振出し

借方金額(円)貸方金額(円)
現金24,000売掛金24,000

B 当社が振り出す

借方金額(円)貸方金額(円)
買掛金18,000当座預金18,000

C 自己振出しが戻る

借方金額(円)貸方金額(円)
当座預金9,000売掛金9,000
  1. 他社振出しの受取は現金、当社振出しは当座預金の増減。
  2. 紙の小切手は2027年度の出題範囲から削除される。
小口現金は、三段階

定額30,000円を小口現金係へ普通預金から渡す。後日、通信費2,400円と旅費交通費4,600円の支払報告を受ける。その翌日に使用額を普通預金から補給する。

前渡し

借方金額(円)貸方金額(円)
小口現金30,000普通預金30,000

支払報告

借方金額(円)貸方金額(円)
通信費2,400小口現金7,000
旅費交通費4,600——

補給

借方金額(円)貸方金額(円)
小口現金7,000普通預金7,000
  1. 報告後の小口現金は23,000円、補給後は30,000円。
  2. 費用を計上するのは支払報告の段階。補給時に費用を二重にしない。
現金2,000円の不足をたどる

帳簿より実際の現金が2,000円少なかった。後で通信費1,500円の記帳漏れが判明し、決算まで残り500円の原因はわからなかった。

不足を記録

借方金額(円)貸方金額(円)
現金過不足2,000現金2,000

原因判明分

借方金額(円)貸方金額(円)
通信費1,500現金過不足1,500

原因不明分の決算整理

借方金額(円)貸方金額(円)
雑損500現金過不足500
  1. 最初に現金を実際に合わせるので、後の二つで現金を再び減らさない。
  2. 現金過不足の残高は2,000−1,500−500=0円。
当座預金の貸方残高を整理

決算時、当座借越契約のある当座預金勘定に貸方残高12,000円がある。当座借越へ振り替え、翌期首に再振替する。

決算時

借方金額(円)貸方金額(円)
当座預金12,000当座借越12,000

翌期首

借方金額(円)貸方金額(円)
当座借越12,000当座預金12,000
  1. 決算では当座預金の貸方残高をゼロにし、借入れの性格を負債に示す。
カード手数料を、販売時に記録

商品40,000円をカードで販売。販売時に手数料3%も計上し、後日、差引額が普通預金に入金された。

販売時

借方金額(円)貸方金額(円)
クレジット売掛金38,800売上40,000
支払手数料1,200——

入金時

借方金額(円)貸方金額(円)
普通預金38,800クレジット売掛金38,800
  1. 40,000×3%=1,200円。債権は40,000−1,200=38,800円。
  2. 入金時には、すでに計上した手数料を再び引かない。
手形の受入と、期日の入金

2026年度

2026年度の例。売掛金56,000円の決済として約束手形を受け取り、期日に同額が普通預金へ入金された。

受入時

借方金額(円)貸方金額(円)
受取手形56,000売掛金56,000

決済時

借方金額(円)貸方金額(円)
普通預金56,000受取手形56,000
  1. 売掛金から受取手形へ形が変わり、期日に預金へ変わる。
  2. 途中で売上を追加する取引ではない。
金銭の貸付けに手形を使う

2026年度

2026年度の例。約束手形を受け取って90,000円を貸し付け、普通預金から支払った。後日、期日に元本のみ普通預金へ回収した。

貸付時

借方金額(円)貸方金額(円)
手形貸付金90,000普通預金90,000

回収時

借方金額(円)貸方金額(円)
普通預金90,000手形貸付金90,000
  1. 商品代金の回収ではなく、金銭の貸付けなので手形貸付金。
  2. 借りる側は手形借入金という負債で対応する。
買掛金を電子記録債務へ

買掛金72,000円について電子記録債務の発生記録を行った。後日、期日に普通預金から決済された。

発生記録

借方金額(円)貸方金額(円)
買掛金72,000電子記録債務72,000

期日の決済

借方金額(円)貸方金額(円)
電子記録債務72,000普通預金72,000
  1. 最初の切替では、仕入も預金も増減しない。
  2. 債務の種類を変え、支払日に債務を消す。
利息を差し引かれた借入れ

期間6か月、年利率2.4%で300,000円を借り、利息全額を差し引いた額が普通預金に入金された。借入時に支払利息として処理する条件とする。

借入時

借方金額(円)貸方金額(円)
普通預金296,400借入金300,000
支払利息3,600——
  1. 利息=300,000×0.024×6÷12=3,600円。
  2. 借入金は元本300,000円。実際の入金は296,400円。期間をまたぐ場合の決算整理は別に考える。
似た科目は、何の代金かで分ける
状況支払う・受け取る前後から精算する科目
商品売買の掛け商品は引渡し済み売掛金・買掛金
商品代の手付け商品はまだ引渡し前前払金・前受金
備品などの後払い資産は引渡し済み未収入金・未払金
家賃・利息の決算整理時間に応じた当期・翌期の区分前払費用・前受収益・未収収益・未払費用
手付金を払って、商品が届く

商品代金100,000円のうち20,000円を普通預金から先払い。後日商品を受け取り、残額80,000円は掛けとした。

先払い

借方金額(円)貸方金額(円)
前払金20,000普通預金20,000

商品の受取り

借方金額(円)貸方金額(円)
仕入100,000前払金20,000
——買掛金80,000
  1. 前払金は商品の引渡し前の資産。受取り時に消す。
  2. 仕入は残額80,000円でなく、商品全体の100,000円。
商品券は、現金と分ける

商品15,000円を販売し、代金のうち10,000円分を他社発行の商品券、残額5,000円を現金で受け取った。商品券は受取商品券で記帳する。

販売時

借方金額(円)貸方金額(円)
受取商品券10,000売上15,000
現金5,000——
  1. 受取商品券は、発行者などへ換金を請求する資産として管理する。
  2. 当社が商品券を発行した処理とは区別する。
仮払金を精算する

出張の概算18,000円を現金で渡した。帰着後、旅費交通費は15,500円とわかり、残金2,500円を現金で受け取った。

概算の前渡し

借方金額(円)貸方金額(円)
仮払金18,000現金18,000

帰着時の精算

借方金額(円)貸方金額(円)
旅費交通費15,500仮払金18,000
現金2,500——
  1. 費用15,500円+返金2,500円=概算18,000円。
  2. 仮払金を全額消す。
給料の総額と、振込みの金額

給料総額200,000円から所得税8,000円と社会保険料12,000円を天引きし、残額を普通預金から払った。その後、社会保険料の本人負担分12,000円と会社負担分12,000円を合わせて納付した。

給料支払時

借方金額(円)貸方金額(円)
給料200,000所得税預り金8,000
——社会保険料預り金12,000
——普通預金180,000

社会保険料の納付

借方金額(円)貸方金額(円)
社会保険料預り金12,000普通預金24,000
法定福利費12,000——
  1. 給料費用は差引額180,000円でなく総額200,000円。
  2. 会社分は費用、本人分はすでに預かった負債を消す。所得税の納付はこの例の対象外。
使える状態までの費用を含める

業務用備品130,000円を購入し、使用のための運賃・据付費10,000円とともに普通預金から支払った。

取得時

借方金額(円)貸方金額(円)
備品140,000普通預金140,000
  1. 取得原価=130,000+10,000=140,000円。
  2. この例の付随費用は、別の費用でなく備品の原価に含める。
期中取得を、月数で配分する

10月1日に取得・使用開始した備品240,000円。3月31日決算、残存価額ゼロ、耐用年数4年、定額法・間接法。使用期間は6か月とする。

決算時

借方金額(円)貸方金額(円)
減価償却費30,000備品減価償却累計額30,000
  1. 年額240,000÷4=60,000円。6か月分は60,000×6÷12=30,000円。
  2. 帳簿価額は240,000−30,000=210,000円。
売却日までの償却を足す

備品の取得原価300,000円、前期末の累計額120,000円。耐用年数5年・残存価額ゼロの定額法で、当期使用期間6か月分を償却してから、期中に140,000円で現金売却した。

当期使用分

借方金額(円)貸方金額(円)
減価償却費30,000備品減価償却累計額30,000

売却時

借方金額(円)貸方金額(円)
現金140,000備品300,000
備品減価償却累計額150,000——
固定資産売却損10,000——
  1. 当期償却300,000÷5×6÷12=30,000円。売却時の累計額は150,000円。
  2. 帳簿価額150,000円に対し売価140,000円なので、売却損10,000円。
必要額と、追加分を分ける

決算時の対象債権は売掛金240,000円のみ。貸倒実績率2%、貸倒引当金の既存貸方残高は1,800円。差額補充法で処理する。

決算整理

借方金額(円)貸方金額(円)
貸倒引当金繰入3,000貸倒引当金3,000
  1. 必要額240,000×2%=4,800円。追加は4,800−1,800=3,000円。
  2. 貸借対照表の引当金残高は4,800円。損益計算書の当期繰入は3,000円。
引当金が足りない場合と、後の回収

前期販売分の売掛金30,000円が貸し倒れた。使える貸倒引当金残高は20,000円。さらに翌期に、この債権のうち4,000円を現金で回収した。

貸倒時

借方金額(円)貸方金額(円)
貸倒引当金20,000売掛金30,000
貸倒損失10,000——

翌期の回収

借方金額(円)貸方金額(円)
現金4,000償却債権取立益4,000
  1. 引当金不足分10,000円を貸倒損失へ。
  2. 以前に処理した債権の翌期の回収は、新しい売上にしない。
決算日の前後で、当期分と翌期分を分ける
  1. 前払費用払ったが、翌期の分

    当期費用を減らし、資産へ

  2. 前受収益受け取ったが、翌期の分

    当期収益を減らし、負債へ

  3. 未収収益当期分だが、未受領

    収益と資産を補う

  4. 未払費用当期分だが、未払い

    費用と負債を補う

商品代金の前払金・前受金とは区別します。家賃や利息など、時間に応じた整理の図です。

経過勘定の四つの型
型決算で動かすもの仕訳の向き(例)
前払費用翌期分の費用を外す前払保険料 / 保険料
前受収益翌期分の収益を外す受取家賃 / 前受家賃
未収収益当期分の収益を補う未収利息 / 受取利息
未払費用当期分の費用を補う支払利息 / 未払利息
翌期分の保険料を外す

10月1日に一年分の保険料24,000円を払い、全額を保険料で記帳した。3月31日決算。翌4月から9月までの6か月分を整理し、翌期首に再振替する。

決算整理

借方金額(円)貸方金額(円)
前払保険料12,000保険料12,000

翌期首の再振替

借方金額(円)貸方金額(円)
保険料12,000前払保険料12,000
  1. 月額24,000÷12=2,000円。翌期分は2,000×6=12,000円。
  2. 当期の保険料は24,000−12,000=12,000円。
未払いでも、当期の利息を補う

借入金200,000円、年利率6%。当期末までの最後の3か月分の利息が未払いで、まだ記帳されていない。月割計算する。

決算整理

借方金額(円)貸方金額(円)
支払利息3,000未払利息3,000
  1. 当期分200,000×0.06×3÷12=3,000円。
  2. 費用を補い、支払義務を負債へ。現金・預金はまだ動かさない。
三分法で、売れた分を残す

期首商品60,000円、当期純仕入450,000円、期末商品80,000円。仕入勘定で売上原価を計算する。

期首分を仕入へ

借方金額(円)貸方金額(円)
仕入60,000繰越商品60,000

期末分を商品へ

借方金額(円)貸方金額(円)
繰越商品80,000仕入80,000
  1. 売上原価=60,000+450,000−80,000=430,000円。
  2. 残る商品80,000円は資産。売上額で在庫を評価しない。
未使用の切手を、貯蔵品へ

購入時に全額を通信費で処理した切手のうち、決算時に未使用分が4,000円ある。翌期首には再振替する。

決算時

借方金額(円)貸方金額(円)
貯蔵品4,000通信費4,000

翌期首

借方金額(円)貸方金額(円)
通信費4,000貯蔵品4,000
  1. 未使用分だけ、当期の費用から資産へ。
  2. 購入時から資産処理されている場合と混ぜない。
税抜と、消費税の精算

商品本体50,000円を10%の消費税とともに掛けで販売した。別途、決算時には仮受消費税30,000円、仮払消費税18,000円の残高があるものとして、差額を未払消費税へ整理する。

販売時の例

借方金額(円)貸方金額(円)
売掛金55,000売上50,000
——仮受消費税5,000

別途示した決算残高の精算

借方金額(円)貸方金額(円)
仮受消費税30,000仮払消費税18,000
——未払消費税12,000
  1. 販売時の税込代金は55,000円。問題の指示にある税だけを考慮する。
  2. 決算残高は販売例とは独立した条件。30,000−18,000=12,000円が未払。
中間納付分を引いて、残りを未払に

当期の法人税等は22,000円と与えられた。中間納付として仮払法人税等10,000円を記録済み。残りは未納付である。

決算整理

借方金額(円)貸方金額(円)
法人税等22,000仮払法人税等10,000
——未払法人税等12,000
  1. 費用は当期総額22,000円。未納付額は22,000−10,000=12,000円。
出資と、利益の配当

株式発行の払込額150,000円を普通預金へ受け入れ、全額を資本金にした。別途、配当20,000円と利益準備金2,000円の積立てを決議した。いずれも繰越利益剰余金からの処分とし、配当は未払い。

増資

借方金額(円)貸方金額(円)
普通預金150,000資本金150,000

配当等の決議

借方金額(円)貸方金額(円)
繰越利益剰余金22,000未払配当金20,000
——利益準備金2,000
  1. 増資は売上ではない。配当も費用ではない。
  2. 積立額2,000円は、この例の与件であり、法定積立額を独自計算したものではない。
同じ商品を、二つの原価の流れで比較
場面先入先出法移動平均法
期首20個・1個500円在庫10,000円在庫10,000円
10個・1個800円を仕入れ20個×500円+10個×800円合計18,000円÷30個=平均600円
25個を販売(払出し)20×500+5×800=14,000円25×600=15,000円
残り5個の原価5×800=4,000円5×600=3,000円
確認18,000=14,000+4,00018,000=15,000+3,000
商品30,000円を販売・現金10,000円、残額掛け
方法入金伝票からの仕訳振替伝票からの仕訳
取引を分割現金10,000 / 売上10,000売掛金20,000 / 売上20,000
全額を掛けとして扱う現金10,000 / 売掛金10,000売掛金30,000 / 売上30,000
二つの合計は同じ現金の増加10,000円売掛金の純増20,000円・売上30,000円
決算整理前から、二つの財務諸表へ
  1. 整理前残高元帳の残高を集める

    合計と残高の違いを確認

  2. 整理仕訳条件を一つずつ反映

    棚卸・引当金・償却・期間・税

  3. 整理後残高もとの数字へ加減する

    費用の追加額と期末残高を分ける

  4. B/S と P/L資産等と収益・費用へ振り分け

    利益を通して二つの表がつながる

精算表は決算の作業表です。修正欄の金額を、そのまま全部の完成欄へ写すものではありません。

八桁精算表の流れ・極小例(各金額は円)
科目試算 借試算 貸修正 借修正 貸損益 借損益 貸貸借 借貸借 貸
現金50,000—————50,000—
備品60,000—————60,000—
資本金—80,000—————80,000
売上—50,000———50,000——
仕入20,000———20,000———
減価償却費——10,000—10,000———
備品減価償却累計額———10,000———10,000
当期純利益————20,000——20,000
合計130,000130,00010,00010,00050,00050,000110,000110,000
売上・費用を締めて、利益を移す

売上80,000円、費用の仕入50,000円・通信費5,000円だけがある。収益・費用を損益へ振り替え、利益を繰越利益剰余金へ移す。

収益の振替

借方金額(円)貸方金額(円)
売上80,000損益80,000

費用の振替

借方金額(円)貸方金額(円)
損益55,000仕入50,000
——通信費5,000

利益の振替

借方金額(円)貸方金額(円)
損益25,000繰越利益剰余金25,000
  1. 利益=80,000−50,000−5,000=25,000円。
  2. 売上・費用・損益の残高を閉じ、利益を純資産へつなげる。
通し演習①・決算整理前残高試算表
勘定科目借方残高(円)貸方残高(円)
現金70,000—
普通預金443,000—
売掛金240,000—
繰越商品60,000—
備品300,000—
仕入450,000—
給料180,000—
支払家賃120,000—
保険料24,000—
支払利息6,000—
買掛金—180,000
借入金—200,000
貸倒引当金—3,000
備品減価償却累計額—60,000
資本金—500,000
売上—950,000
合計1,893,0001,893,000
通し演習②・決算整理事項
番号条件(会計期間はX1年4月1日〜X2年3月31日)
1売掛金30,000円を普通預金へ回収した取引が未記帳。
2期首商品は試算表の繰越商品。期末商品は80,000円。仕入勘定で売上原価を計算。
31の回収後の売掛金だけを対象に2%の貸倒引当金を差額補充法で設定。
4備品は取得原価300,000円、残存価額ゼロ・耐用年数5年。全額を当期一年使用。定額法・間接法。
5保険料24,000円は10月1日に払った一年分で、全額費用計上済み。翌期6か月分を整理。
6借入金200,000円に対する年6%の利息について、最後の3か月分が未払い・未記帳。月割計算。
7当期の水道光熱費5,000円を現金で支払った取引が未記帳。
8当期の法人税等は30,000円と与えられた。中間納付なし、全額未払い。
整理仕訳の解説 1

先に整理仕訳を自分で書いてから確認しましょう。消費税は考慮しません。

1 未記帳の売掛金回収

借方金額(円)貸方金額(円)
普通預金30,000売掛金30,000

売掛金は240,000−30,000=210,000円。

2-a 期首商品

借方金額(円)貸方金額(円)
仕入60,000繰越商品60,000

2-b 期末商品

借方金額(円)貸方金額(円)
繰越商品80,000仕入80,000

売上原価450,000+60,000−80,000=430,000円。

整理仕訳の解説 2

先に整理仕訳を自分で書いてから確認しましょう。消費税は考慮しません。

3 貸倒引当金

借方金額(円)貸方金額(円)
貸倒引当金繰入1,200貸倒引当金1,200

回収後売掛金210,000×2%−既存3,000=1,200円。

4 減価償却

借方金額(円)貸方金額(円)
減価償却費60,000備品減価償却累計額60,000

取得原価300,000÷5年=60,000円。

5 保険料の繰延べ

借方金額(円)貸方金額(円)
前払保険料12,000保険料12,000

翌期6か月分24,000×6÷12=12,000円。

整理仕訳の解説 3

先に整理仕訳を自分で書いてから確認しましょう。消費税は考慮しません。

6 利息の未払い

借方金額(円)貸方金額(円)
支払利息3,000未払利息3,000

最後の3か月分200,000×6%×3÷12=3,000円。

7 水道光熱費の記帳漏れ

借方金額(円)貸方金額(円)
水道光熱費5,000現金5,000

8 法人税等

借方金額(円)貸方金額(円)
法人税等30,000未払法人税等30,000
通し演習③・損益計算書(学習用の科目別一覧)
科目金額(円)
売上高950,000
売上原価430,000
売上総利益520,000
給料180,000
支払家賃120,000
保険料12,000
支払利息9,000
貸倒引当金繰入1,200
減価償却費60,000
水道光熱費5,000
法人税等30,000
当期純利益102,800
通し演習④・貸借対照表(学習用の科目別一覧)
科目金額(円)
現金65,000
普通預金473,000
売掛金210,000
貸倒引当金(控除)△4,200
商品80,000
備品300,000
備品減価償却累計額(控除)△120,000
前払保険料12,000
資産合計1,015,800
買掛金180,000
借入金200,000
未払利息3,000
未払法人税等30,000
負債合計413,000
資本金500,000
繰越利益剰余金(当期利益を含む)102,800
純資産合計602,800
負債・純資産合計1,015,800
第1問・仕訳 1〜5(各3点)
番号取引を仕訳しなさい(特記以外は消費税なし)
1商品48,000円を掛けで仕入れた。
2商品75,000円を販売し、15,000円を現金で受領、残額は掛け。
3商品32,000円をカード販売。販売時に手数料3%を計上する。
4売掛金40,000円が普通預金に入金された。
5買掛金72,000円について電子記録債務の発生記録を行った。
第1問・仕訳 6〜10(各3点)
番号取引を仕訳しなさい(特記以外は消費税なし)
6借入金120,000円を、当期分として初めて記帳する利息1,800円とともに普通預金から返済した。
7仮払金18,000円を出張精算し、旅費15,500円、返金2,500円を現金受領。
8給料200,000円から所得税8,000円・社会保険料12,000円を天引きし、残額を普通預金から払った。
9備品130,000円と使用のための運賃10,000円を普通預金から払った。
10借方の現金過不足1,200円の全額が、通信費の記帳漏れだったと判明した。
第1問・仕訳 11〜15(各3点)
番号取引を仕訳しなさい(特記以外は消費税なし)
11前期販売分の売掛金30,000円が貸倒れ。貸倒引当金残高20,000円を使う。
12法人税等18,000円を中間納付し、普通預金から払った。
13商品本体50,000円を掛け販売。消費税10%、税抜方式で処理。
14増資の払込額150,000円を普通預金へ受け入れ、全額を資本金とする。
15決算で、全額を費用処理済みの支払家賃のうち翌期分30,000円を繰り延べる。
第2問A・勘定記入(5空欄×2点)
与件・空欄内容
条件期首の現金20,000円。その後、現金売上9,000円、通信費を現金2,500円支払い、現金10,000円を普通預金へ預け入れた。他の取引なし。
A1現金勘定の借方合計(前期繰越を含む)は?
A2現金勘定の貸方合計(次期繰越の記入前)は?
A3現金の期末残高は?
A4この期間の普通預金の増加額は?
A5この期間の売上高は?
第2問B・商品有高帳(5空欄×2点)
与件・空欄内容
条件期首20個・単価500円。追加仕入10個・単価800円。その後25個を販売し、返品などはない。先入先出法、原価による。
B1追加仕入直後の在庫数量は?
B2追加仕入直後の在庫金額は?
B325個の払出原価は?
B4販売後の在庫数量は?
B5販売後の在庫金額は?
第3問①・決算整理前残高試算表(円)
勘定科目借方残高(円)貸方残高(円)
現金40,000—
普通預金311,000—
売掛金150,000—
繰越商品40,000—
備品240,000—
仕入360,000—
給料120,000—
支払家賃60,000—
保険料18,000—
仮払法人税等10,000—
買掛金—120,000
借入金—180,000
貸倒引当金—1,000
備品減価償却累計額—48,000
資本金—350,000
売上—650,000
合計1,349,0001,349,000
第3問②・整理事項(X1年4月1日〜X2年3月31日)
番号条件
1期末商品は55,000円。仕入勘定で売上原価を求める。
2売掛金150,000円だけを対象に貸倒引当金を2%・差額補充法で設定。
3備品240,000円は当期一年使用。残存価額ゼロ、耐用年数5年、定額法・間接法。
4保険料18,000円は6月1日から一年分、全額費用処理済み。3月31日決算で翌期2か月分を前払いへ。
5当期の家賃5,000円が未払い・未記帳。
6当期の利息1,000円が未収・未記帳。
7当期の法人税等は22,000円。仮払法人税等10,000円は全額その中間納付。未納付分を整理。
第3問③・回答欄(7空欄×5点)
欄決算整理後の金額を答えなさい
A 商品(     )円
B 貸倒引当金の期末残高(     )円
C 備品減価償却累計額の期末残高(     )円
D 前払保険料(     )円
E 未払法人税等(     )円
F 当期純利益(     )円
G 資産合計(     )円
第1問・解答 1〜3

各問3点。本教材では一つの仕訳全体が正しい場合に正答とします。

第1問・1

借方金額(円)貸方金額(円)
仕入48,000買掛金48,000

商品売買の掛け代金は買掛金。

第1問・2

借方金額(円)貸方金額(円)
現金15,000売上75,000
売掛金60,000——

売上は全額。受け取り方を二つに分ける。

第1問・3

借方金額(円)貸方金額(円)
クレジット売掛金31,040売上32,000
支払手数料960——

32,000×3%=960円。債権31,040円。

第1問・解答 4〜6

各問3点。本教材では一つの仕訳全体が正しい場合に正答とします。

第1問・4

借方金額(円)貸方金額(円)
普通預金40,000売掛金40,000

回収時に売上を二重に記録しない。

第1問・5

借方金額(円)貸方金額(円)
買掛金72,000電子記録債務72,000

債務の科目の切替。まだ預金は動かない。

第1問・6

借方金額(円)貸方金額(円)
借入金120,000普通預金121,800
支払利息1,800——

元本と利息の合計が実際の支出。

第1問・解答 7〜9

各問3点。本教材では一つの仕訳全体が正しい場合に正答とします。

第1問・7

借方金額(円)貸方金額(円)
旅費交通費15,500仮払金18,000
現金2,500——

仮払金を全額消す。

第1問・8

借方金額(円)貸方金額(円)
給料200,000所得税預り金8,000
——社会保険料預り金12,000
——普通預金180,000

給料費用は総額。預り金は負債。

第1問・9

借方金額(円)貸方金額(円)
備品140,000普通預金140,000

取得原価に直接必要な運賃を含める。

第1問・解答 10〜12

各問3点。本教材では一つの仕訳全体が正しい場合に正答とします。

第1問・10

借方金額(円)貸方金額(円)
通信費1,200現金過不足1,200

すでに現金を実際に合わせてあるので、現金を再び動かさない。

第1問・11

借方金額(円)貸方金額(円)
貸倒引当金20,000売掛金30,000
貸倒損失10,000——

不足分10,000円だけ貸倒損失。

第1問・12

借方金額(円)貸方金額(円)
仮払法人税等18,000普通預金18,000

中間納付は仮払。

第1問・解答 13〜15

各問3点。本教材では一つの仕訳全体が正しい場合に正答とします。

第1問・13

借方金額(円)貸方金額(円)
売掛金55,000売上50,000
——仮受消費税5,000

税込の債権55,000円と、本体・税額を分ける。

第1問・14

借方金額(円)貸方金額(円)
普通預金150,000資本金150,000

出資は売上ではない。

第1問・15

借方金額(円)貸方金額(円)
前払家賃30,000支払家賃30,000

翌期の費用を資産へ。

第2問・解答と検算
空欄解答考え方
A129,000円20,000+9,000
A212,500円2,500+10,000
A316,500円29,000−12,500
A410,000円現金から普通預金への振替
A59,000円現金売上だけが該当
B130個20+10
B218,000円20×500+10×800
B314,000円20×500+5×800
B45個30−25
B54,000円5×800
第3問・整理仕訳 1

繰越商品・引当金・累計額は、もとの残高へ加減します。

期首商品

借方金額(円)貸方金額(円)
仕入40,000繰越商品40,000

期末商品

借方金額(円)貸方金額(円)
繰越商品55,000仕入55,000

貸倒引当金

借方金額(円)貸方金額(円)
貸倒引当金繰入2,000貸倒引当金2,000
第3問・整理仕訳 2

繰越商品・引当金・累計額は、もとの残高へ加減します。

減価償却

借方金額(円)貸方金額(円)
減価償却費48,000備品減価償却累計額48,000

前払保険料

借方金額(円)貸方金額(円)
前払保険料3,000保険料3,000

家賃の未払い

借方金額(円)貸方金額(円)
支払家賃5,000未払家賃5,000
第3問・整理仕訳 3

繰越商品・引当金・累計額は、もとの残高へ加減します。

利息の未収

借方金額(円)貸方金額(円)
未収利息1,000受取利息1,000

法人税等

借方金額(円)貸方金額(円)
法人税等22,000仮払法人税等10,000
——未払法人税等12,000
第3問・七つの回答(各5点)
回答欄正答
A 商品55,000円
B 貸倒引当金の期末残高3,000円
C 備品減価償却累計額の期末残高96,000円
D 前払保険料3,000円
E 未払法人税等12,000円
F 当期純利益34,000円
G 資産合計701,000円
第3問・損益計算書の全体(学習用一覧)
科目金額(円)
売上高650,000
売上原価345,000
売上総利益305,000
受取利息1,000
給料120,000
支払家賃65,000
保険料15,000
貸倒引当金繰入2,000
減価償却費48,000
法人税等22,000
当期純利益34,000
第3問・貸借対照表の全体(学習用一覧)
科目金額(円)
現金40,000
普通預金311,000
売掛金150,000
貸倒引当金(控除)△3,000
商品55,000
備品240,000
備品減価償却累計額(控除)△96,000
前払保険料3,000
未収利息1,000
資産合計701,000
買掛金120,000
借入金180,000
未払家賃5,000
未払法人税等12,000
負債合計317,000
資本金350,000
繰越利益剰余金(当期利益を含む)34,000
純資産合計384,000
負債・純資産合計701,000
学習の到達目標・日数は自分に合わせる
段階できるようになりたいこと本の戻り先
基礎五要素と借貸の理由を説明できる第2〜4章
取引入出金だけでなく債権・債務の増減を書ける第5〜12章
決算整理当期と翌期を分け、残高へ加減できる第13〜19章
つながり帳簿・精算表・財務諸表をつなげられる第20〜24章
本番練習時間を測り、間違いの原因を説明できる第25〜27章
2027年度の入口・販売時の原価振替

2027年度の追加論点

2027年度の追加論点の小例。商品を72,000円で掛け販売。原価は45,000円。販売のつど売上原価へ振り替える方法による。

売価の記録

借方金額(円)貸方金額(円)
売掛金72,000売上72,000

原価の振替

借方金額(円)貸方金額(円)
売上原価45,000商品45,000
  1. 売価と原価を二本の仕訳に分ける。
  2. 2026年度本編の三分法の期末振替と混在させない。
2027年度の入口・定率法

2027年度の追加論点

2027年度の簡易な小例。備品の取得原価500,000円、期首の減価償却累計額200,000円、指定の償却率30%。当期は一年使用した。間接法で処理する。

当期の減価償却

借方金額(円)貸方金額(円)
減価償却費90,000備品減価償却累計額90,000
  1. 期首帳簿価額500,000−200,000=300,000円。300,000×30%=90,000円。
  2. 保証率・改定償却率などの複雑な税法計算を求める例ではない。
2027年度の入口・備品を廃棄

2027年度の追加論点

2027年度の小例。不要な備品を廃棄した。取得原価100,000円、廃棄時点の減価償却累計額80,000円。回収額・処分費用はない。残る帳簿価額を固定資産除却損として処理する。

廃棄時

借方金額(円)貸方金額(円)
備品減価償却累計額80,000備品100,000
固定資産除却損20,000——
  1. 原価100,000円を取り除き、累計額80,000円も取り除く。
  2. 残る20,000円を損失へ。処分費用や回収額があれば、その条件も別に読む。